「不正アクセスなどの対策として、パスワードって定期的に変更しないといけないの?」
インターネットを使用していると、パスワードの管理方法について悩むときがあるのではないでしょうか。
「パスワードを変更してください」と定期的に表示されるけれど、毎回しなければならないのでしょうか?
結論から言えば、次のような場合はパスワードの変更は不要です。
- 「安全なパスワード」のガイドラインに従ってパスワードを管理している
- 情報漏えいなどの事実がない
「えっ?」と思われるかもしれませんが、これには明確な根拠があります。
そのため、今回はITパスポートの資格を所有し、現在セキュリティ案件を中心に執筆している私が、パスワードについて簡単にまとめます。
「安全なパスワード」がどのようなものか知りたい方は、こちらをご覧ください。
パスワードの変更が不要な理由
基本的にパスワードの変更が不要な理由は、「人はパスワードを記憶するのが苦手」だからです。
その結果、次のようなことが発生します。
- パスワードを紙に書いて保管する
- パスワードを使い回す
- スマホなどのメモ帳で管理する
この管理方法は、安全なパスワードに従ってパスワードを作成しても、情報漏えいなどのリスクを自ら高める結果となってしまいます。
なぜ、この方法が危険なのかもう少し掘り下げます。
パスワードの変更が不要な理由については総務省からも発表がありますので、こちらもぜひ参考にしてください。
パスワードを紙に書いて保管する
パスワードを紙に書いて保管するのは、非常に危険な行為です。
不正アクセスや情報漏えいのリスクを自ら高めてしまいます。
たとえば、パスワードを変更するたびにメモ帳などに書いて持ち歩いたり、付せん紙に書いてPCに貼っていたりしていませんか?
「家だからいいや」とPCに付せん紙でパスワードを貼り付けていると、家族が簡単にアクセスできる状況が生まれます。
また、メモ帳などパスワードを書き出した場合は、紛失しないように肌身離さず持ち歩かないといけません。
「家に保管しておけば大丈夫」と思われるかもしれませんが、不在中に家族がパスワードを入手している可能性があるからです。
このように、パスワードをメモに書いて保管するのは気を遣うことにもなるので、控えた方が良いでしょう。
パスワードを使い回す
「パスワードを覚えられない」と、複数のサイトでパスワードを使い回すのも危険な行為です。
なぜなら、1つのサイトでIDやパスワードが流出した場合、複数のサイトで不正アクセスされる可能性があるからです。
IDやパスワードは、それぞれのサイトで違うものを使用しましょう。
さらに、定期的にパスワードを変更しているとますます覚えられなくなり、パスワードの使い回しが発生しやすくなります。
そのため、パスワードの定期的な変更はリスクが高いとされています。
スマホなどのメモ帳で管理する
スマホなどのメモ帳でパスワードを管理すると、紛失したときにIDやパスワードが一気に流出する可能性があります。
スマホやPCに顔認証などのロックをかけていても、セキュリティは完璧とは言えません。
また、何らかの理由で不正アクセスされた場合に、PCやスマホ内の情報が盗まれる危険もあります。
パスワードを定期的に変更していると、「とりあえずメモ帳に残しておこう」とメモをして、そのまま管理するケースも多くなるのではないでしょうか。
メモ帳にパスワードが記録されている場合は、別の管理方法をおすすめします。
パスワードの管理方法おすすめ
パスワードを管理するためにおすすめの方法を紹介します。
パスワードマネージャーを使う
Google Chromeなどに搭載されているパスワードマネージャーは、パスワードを管理するのにおすすめです。
パスワードを覚えなくてもブラウザが記録しているので、今までログインしたサイトやサービスをそのまま使用できます。
ただし、パスワードマネージャーを使用してパスワードを管理する場合は、Googleアカウントなどのアカウント管理に注意しなければなりません。
なぜなら、Googleアカウントが乗っ取られた場合は、登録すべてのサイトに簡単にアクセスされてしまうからです。
パスワードマネージャーを使用する場合は、Googleアカウントに多要素認証(ワンタイムパスワードなど)を適用するなどの対策をしましょう。
パスワード管理ツールを使用する
パスワード管理ツールを使用するのも、パスワードの管理におすすめの方法です。
実際に、私は「SafeinCloud」を使用しています。
「SafeinCloud」は、IDやパスワードを暗号化して保管できるパスワード管理ツールです。
iOS
Android
Windows
Mac
「SafeinCloud」は、PCとスマホの同期やブラウザとの連携も可能です。
さらに、免許証の写真なども保管できます。
IDやパスワードをデバイスで保管するのが危険な理由は、平文(誰でも見られる状態)で保管されているからです。
その点、「SafeinCloud」はIDやパスワードなどを暗号化して保管しているため、安全性は高いと言えます。
さまざまな個人情報をPCやスマホで保管したい、パスワードマネージャーを使うのが不安な方は、「SafeinCloud」を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:パスワードを定期的に変更する方がリスクが高い
IDやパスワードは、情報漏えいや使い回しなどの事実がなければ定期的に変更する必要はありません。
それどころか、定期的に変更した方がリスクが高まります。
パスワードの管理には、パスワードマネージャーやパスワード管理ツールの使用がおすすめです。
IDやパスワードを管理したいか、その他に管理したいものがあるのかを見極めて、ツールを選択しましょう。
正しい方法でパスワードの作成や管理をすると、セキュリティ強化にも繋がります。